猫の糖尿病について
猫の糖尿病は、インスリン治療を必要とする
インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)と、
食事療法により治療が可能なインスリン非依存性糖尿病
(II型糖尿病)に分類されます。
主な原因は、膵臓のランゲルハンス島からのインスリン分泌の
低下、不全です。
インスリンは体内のブドウ糖を取り込み、エネルギーとして
利用するために重要な役割を果たしていて、生体で血糖値を
下げる作用をもつ唯一のホルモンです。
インスリンの不足によって血糖値が上昇し、糖尿病が発症します。
肥満、運動不足、遺伝的要因などが糖尿病のリスクを
高める要因とされています。
〈症状〉
・多飲、多尿、多食(初期症状)
・元気消失
・体重減少
・嘔吐
・脱水 などがみられます。
糖尿病の初期症状では、多食になることもありますが、
犬の糖尿病とは異なり、猫ではかならずしも多食にはならず、
食欲が落ちることもあります。
ご飯を沢山食べるのに、痩せていく時は要注意です。
また、白内障になる事が少ないのも犬とは異なる点です。
病気の進行により高血糖による高浸透圧性や、
代謝異常によるケトアシドーシスの状態になると
昏睡状態に陥り、重篤な場合は死に至ることもあります。
そのため、初期症状を見逃さない事が大切です。
インスリン治療は、皮下に注射をする方法が主流ですが、
1日1回の投薬で、より簡単な治療法の動物用糖尿病治療薬
もあります。
この治療薬を使うことにより、注射をすることのストレス
もなくなります。
7日以内に血糖値が改善する点もポイントで、
より早い改善が期待できます。
安定した猫では、頻回の血液検査は不要であり、
投与量の調節も必要ありません。
そのため血液検査をする回数も減り、動物のストレスの軽減
にもなります。
※一般状態が悪い猫での治療には適していません
糖尿病は重症化すると死に至ることのある怖い病気ですが、
早期発見、治療をはじめることにより、
安定した生活を送ることが可能になります。
少しでも気になる症状がみられた場合は、
早めに受診することをおすすめします🏥
愛玩動物看護師 佐