高齢ペットのケア 5
高齢のペットにみられる症状に便秘があります。
健康なペットの1日の排便回数は2回と言われています。
それが3日以上でないようであれば来院をお勧めします。
来院時に触診で通常よりも硬く多量にお腹に便があるようなら便秘と診断されます。
血液検査、レントゲン検査等で異常がないようであれば浣腸をします。
しかし、このような処置を毎日続けるわけにはいきませんよね。
便が硬くなってしまう理由を考えてみましょう。
①水を飲む量が少ない。
②後ろ足に力が入らず排便姿勢がとれない。
③繊維質の多い餌を与えている。
等が考えられます。
大腸の働きは小腸で消化が済んだ食渣から水分やミネラルを吸収して固形の便を作ることです。
日頃から必要なだけ水を飲まないと体はそれを補うために便からどんどん水分を吸収して硬い硬いうんちな
ってしまいます。
犬や猫の1日に必要な水分は、体重1キロあたり50 cc程です。
3キロの犬なら1日あたり150ccくらいになります。
これを目安にして水を与えるようにしましょう。
排便姿勢がとりにくい子の場合は、体を支えたり、筋肉量を増やす餌を与えるようにし排便をしやすいように足腰を鍛えましょう。
若い時にお腹を壊すことが多く繊維分の多い餌を食べている場合は現在の体の状態に合わせ餌に切り替えましょう。
先ずは、便秘を起こしている原因をはっきりさせてそれぞれに対応していくおことで便秘の辛さから解放してあげることです
今までお話ししたようなことを行っても便秘が続くようであればお薬を使うことになります。
また他の病気に伴って起こる便秘もありますので健康診断を定期的に受けましょう。
高齢ペットと暮らしている方は症状が重くなる前にまずは受診してご相談ください。
獣医師 原