犬と猫の誤食事故を防ぐ!危険物リストと動物病院での処置内容

「愛犬がチョコレートを食べてしまった」「愛猫がひもを飲み込んだかもしれない」
こんな緊急事態に直面して、どうすればいいのか不安になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

誤食は、時には命に関わる深刻な事態に発展することもあるため、普段からの注意と正しい対応がとても大切です。

今回は犬と猫の誤食について、危険な症状や動物病院での処置、予防法について解説します。

■目次
1.誤食時に現れる危険な症状
2.動物病院での処置
3.要注意!犬や猫が誤食しやすい物
4.誤食を防ぐための具体的な対策
5.まとめ

誤食時に現れる危険な症状

犬や猫が何かを誤って食べてしまった場合、まずは普段と違う様子がないか注意深く観察しましょう。

以下のような症状が見られる場合は、すぐに動物病院に相談してください。

<主な症状>
嘔吐:誤食した物を体外に排出しようとする反応です。嘔吐物に血が混じっている場合は注意が必要です。

下痢:消化器に負担がかかることで発生する症状です。長時間続く場合は脱水の危険があるため早急に対応が必要です。

元気消失:ぐったりとして動かない場合は、体内で深刻な問題が起きている可能性があります。

食欲不振:突然食べ物に興味を示さなくなった場合は、消化器や体の中で何らかの異常が起きている可能性があります。

 

<症状の重症度による分類>
・軽症
軽い下痢や一時的な嘔吐が見られるものの、それ以外は普段と変わらず元気にしている場合です。このような状態なら、比較的軽い症状と考えられますが、「大丈夫そうだから」と放置せずに、念のため動物病院に相談しておくと安心です。

・中等症
繰り返し嘔吐や下痢が続き、元気がなくなる場合は、体に負担がかかっている可能性があります。この状態を放置するとさらに悪化する恐れがあるため、早めに動物病院を受診しましょう。

・重症
失神やけいれん、血便、呼吸が苦しそうな様子が見られる場合は、命に関わる緊急事態の可能性があります。このような場合は「様子を見る」なんて悠長なことは言わずに、迷わずすぐに動物病院を受診してください。
可能であれば、食べたものがわかる場合はその情報を持参すると診察がスムーズです。

 

動物病院での処置

誤食が疑われる場合、動物病院ではその状況に応じた適切な処置が行われます。これらの対応はすべて獣医師の指示のもとで慎重に進められるため、自己判断で対応するのは避けてくださいね。

1.催吐処置
誤食した物を吐き出させるために、専用の薬を使って処置を行います。ただし、飲み込んだ物が鋭利な物や強い酸性の物質などの場合、吐かせることがかえって危険になることもあるため、慎重に判断しながら行います。

2.胃洗浄
催吐処置で取り除けない場合には、胃洗浄を行います。
この方法では、全身麻酔をかけて胃にチューブを挿入し、丁寧に内容物を洗い流します
特に、大きな異物や危険物を安全に取り除く際に用いられる処置です。

3.内視鏡や外科手術
内視鏡は体への負担が比較的少ない方法で、特殊なカメラを使いながら異物を摘出します。
ただし、異物が胃や腸に詰まってしまっている場合や、内視鏡では対応できない場合には、外科手術が必要になることもあります。

4.解毒剤や薬物療法
毒性のある物質を誤って摂取してしまった場合には、中毒を抑えるために解毒剤が使用されることがあります。また、補液治療を行うことで、体内に残っている毒性物質を速やかに排出するサポートをします。

5.経過観察とサポート
治療後も症状が安定するまでは、入院して経過を慎重に観察します。
特に脱水や低血糖の症状が見られる場合には、点滴治療を行いながら体調を整えるサポートが行われます。

入院中は獣医師がしっかりと見守り、犬や猫が元気を取り戻せるように丁寧にケアを行います。

 

要注意!犬や猫が誤食しやすい物

家庭の中には、犬や猫にとって危険な物が意外と多くあります。特に以下の物には気を付けましょう。

誤って食べてしまった物の種類によって、体への影響や現れる症状は大きく異なります。どんな場合でも早めの対応が大切ですが、特に以下のような物には注意が必要です。

チョコレート
興奮、けいれん、嘔吐、下痢、最悪の場合は心不全を引き起こします。

玉ねぎやニンニク
元気消失、呼吸困難、歯茎の青白さなどの貧血症状が現れることがあります。

ブドウやレーズン
嘔吐、食欲不振、元気消失、尿量の減少や排尿困難などが見られることがあります。

キシリトール
急激な元気消失、ふらつき、けいれん、最悪の場合は昏睡状態になることがあります。

ひも状の物や針などの尖った物
嘔吐、食欲不振、元気消失、お腹に触ると痛がる(腹部の緊張)などが見られることがあります。腸閉塞や内臓の損傷が疑われる場合は、緊急手術が必要になることもあります。

洗剤や薬品など
嘔吐、よだれ過多、口の中のただれ、下痢、呼吸困難などが現れることがあります。このような場合、症状がすぐに出ないこともあるため、早急に動物病院へ相談することが大切です。

 

<季節ごとの誤食リスク>
季節や行事のイベントでは、思わぬ誤食のリスクが高まることがあります。どの時期も楽しい時間を過ごすために、愛犬や愛猫が食べてはいけない物を事前にチェックしておきましょう。

・お正月
おせち料理に含まれるもち伊達巻、昆布巻きなどは塩分や糖分が多く、犬や猫には不適切です。特にもちを飲み込んでしまうと喉に詰まる危険もあります。
毎年、年末年始には「もちやおせちを食べてしまった」という相談が動物病院に寄せられることも少なくありません。

・お彼岸
ぼた餅やおはぎには砂糖や小豆が多く含まれています。これらを食べると、犬や猫は消化不良を起こしたり、腸炎の原因になることがあります。甘い匂いに引き寄せられないよう、置き場所に気をつけましょう。

・ハロウィンやクリスマス
チョコレートやケーキ、アルコール入りのお菓子が誤食されやすい食品として挙げられます。特にチョコレートは、犬や猫にとって命に関わるほど危険な食べ物です。これらの食べ物は、手の届かない場所にしっかりと保管してくださいね。

 

誤食を防ぐための具体的な対策

愛犬や愛猫が危険な物を口にしないようにするためには、普段の環境づくりやお散歩中の注意が大切です。ちょっとした工夫で誤食のリスクを減らすことができるので、以下のポイントを参考にしてみてくださいね。

<収納場所や環境を整える>
まずは、家の中の安全対策から始めましょう。

・高い場所に保管
人用の食品や薬は、犬や猫が届かない高い棚や引き出しに収納しましょう。

・フタ付きのゴミ箱を使う
食品の残りやゴミを誤食しないよう、倒れにくいフタ付きのゴミ箱を選んでください。ゴミ箱を倒されると、中身を誤食するリスクが高まります。

・見える場所に置かない
チョコレートやお菓子などの危険な食品を、テーブルやソファの近くなど目につきやすい場所に置かないようにしましょう。

 

<散歩中の誤食予防>
散歩中も誤食リスクには注意が必要です。

・リードを短く持つ
地面に落ちている物に興味を示さないよう、リードを短く持つのがおすすめです。愛犬が何をしているか、常に目を離さないようにしましょう。

・拾い食い防止マスクを使う
拾い食いの癖がどうしても治らない場合は、拾い食い防止マスクも検討してみてください。散歩中のリスクをぐっと減らせますよ。

 

<しつけで拾い食いを防ぐ>
「待て」や「離せ」を教える
落ちている物を口に入れそうになったときに、「待て」や「離せ」の指示で止められるようにしておくと安心です。少しずつ練習してみましょう。

良い行動を褒める
散歩中、地面の物に興味を示さず拾わなかったときは、その場ですぐに褒めてあげてください。

ご褒美を使うと、「拾わないことは良いこと」と覚えやすくなります。褒めるタイミングを逃さず、良い行動をしっかり伝えてあげましょう。

 

まとめ

愛犬や愛猫の誤食は、ちょっとした工夫でほとんど防ぐことができます。
家の中では、危険な物を高い場所や収納にしまい、季節の行事では犬や猫に適さない食べ物を手の届かない場所に置くようにしましょう。

また、散歩中はリードを短く持つことや、必要に応じて拾い食い防止マスクを活用することも大切です。

もし誤食が疑われたら、迷わず動物病院に相談してください。早めに対応することで、愛犬や愛猫の健康を守ることができます。

日頃から安全な環境を整えることで、大切な家族と安心して楽しい時間を過ごせます。これを機に、もう一度身の回りを見直してみてくださいね。



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