変形性関節症を知っていますか?

皆さん、猫ちゃんにも関節の痛み(変形性関節症)があることを知っていますか?

猫にはまだ野生の本能が残っており、本能的に痛みを隠してしまいます。

病気を隠しがちな猫ちゃんの異変にいち早く気付けるよう、実際に診察を行った猫ちゃんをもとに何回かに分けてお話しできればと思います。

case・今回の猫ちゃんは11歳の猫ちゃんで、2023年に来院された際にも高いところにジャンプすることを躊躇するようになってきたという飼い主さん。

2年ぶりの診察となりましたが、気になる症状として

①ジャンプを全くしなくなってしまった

②後肢の付け根部分を触ると怒ったり、お尻辺りを触られるのを嫌がる

ということ。まずはレントゲンを撮り大きな異常がないことを確認し、

継続的に変形関節症の痛みを緩和できる注射を打ちました。

この注射は、痛みから解放したいという思いから開発された新しい鎮痛管理のお薬となっています。

1回の注射で1カ月間効果の持続し、肝臓・腎臓・消化器への負担を最小限に抑えてくれます。

数日後、来院された飼い主さんに様子を確認すると嬉しいお言葉が返ってきました。(以下飼い主さんの感想です。)


赤褐色のタートルネックと白いバッグを身に付けた女性の横顔。目を閉じて見上げている。

「もともと神経質な猫でしたが、最近では姉妹猫が近づいてくるだけで”シャー・ファー”と怒っていたのですが

痛みを緩和する注射をしたことで穏やかになり、怒らなくなりました。私の膝の上でもウロウロとして落ち着きがなく、

座らせようとお尻を触ると”ギャー”と叫んでいたのですが、それもすっかり落ち着き座っていられるようになりました。

走って姉妹猫とじゃれる様子も久々に見ることができました。使ってよかったと思います、ありがとうございました。」


このように痛みから解放されることで、体の痛みだけでなく猫ちゃん自身の心のダメージ、不機嫌になること・気性が荒くなることなどの気分や性格にも変化がみられます。

次回→「知ってほしい変形性関節症・その原因」「変形性関節症ってどんな症状が出るの?」「治療法とは」