猫の尿道閉塞

先日いつもと様子が違い心配になった飼い主さん

がオスのマンチカンを連れて来院しました。

主訴は嘔吐や元気がないこと。

触診をしたところ膀胱が硬いことが分かりました。

飼い主さんに詳しく話を聞いていると、2日くらい前から

よくトイレに行っていて、お腹の当たりを触ると怒るとの事でした。

このお家では猫を3匹飼っていて、3匹ともちゃんとおしっこが

出ている事を確認できていなかったようです。

問診や触診をし、尿道閉塞の疑いが強かっため腹部のレントゲン撮影、

超音波検査などを行なった結果、猫ちゃんは尿道閉塞の状態でした。

症状は、『頻繁にトイレに行く』『トイレに行っても尿が出ない』

『血尿になる』『不適切な場所での排泄」』などといった

排尿に関連する症状に加え、『お腹の痛み』『辛そうな声で鳴く』

『落ち着かず歩き回る』『元気や食欲の低下』『嘔吐』『軟便』などの

症状を示すことがあります。

治療を行わないと数日(早いと2~3日)で死に至ることもあります。

この中のどれがひとつでも当てはまる症状が見られた時は

様子を見ずに、病院を受診しましょう。

おしっこが何日も出ない状態が続くと命に関わるので、

今回の診察で発見出来て良かったです。

他にもこのお家では、大袋に入った安価なご飯を購入し与えていた

との事でした。

フードは何を与えてもいい訳ではありません。

その子の体質にあったフードを与えないと、結石ができる

原因になるので注意しましょう。

今回の尿からは、ストルバイトという結石の原因になるものが

検出されました。

ストルバイト結晶

ちょっとした事ですが、普段から与えるフードも気をつける

必要があります。

皆さんも今、おうちの子に与えているフードがその子の体質に

あっているものか検査をする事が大切です。

定期的に尿検査をすることはもちろん大切ですが、

まだ1度も尿検査をしたことがない方は、検査する

ことをお勧めします。

採尿方法や採れた尿の保存方法など、分からないことがありましたら

スタッフまでご相談ください。